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西洋料理TOPへラ・ミーア・マンマ! イターリア!! コラム一覧へ
ラ・ミーア・マンマ! イターリア!!
「地方料理の集合体」などと形容されるイタリア料理。ちょっと堅苦し〜い表現ですが、つまりは「土地のマンマ(お母さん)の味」ということ。「イタリアの家庭で作られるおふくろの味を日本の食卓へ!」をテーマに、皆さんよ〜くご存知のこれぞイタリア料理から、日本では無名に近い地方料理まで、ただひたすら個人の趣味でご紹介。「イタリア料理はmammaのマンマ」の思いをタイトルに込め、辻調グループ校「イタリア大好き!!!」職員が、遠き恋しきイタリアを想いながら好き放題、いえ、自由に綴る偏重コラム。星付きレストランの料理も!と、時にはテーマを外れて大暴走なんてことにも!?
イカのケーキはイカがですか??
  Ciao!!!!! 今回はお酒をこよなく愛している須藤と石川が家庭でも作れる料理を紹介したいと思います!
  お酒を飲んでいるとおつまみが欲しくなりませんか? おつまみといえばスルメやイカの塩辛など、イカの加工品って意外と多いものです。それに刺し身や一夜干し、イカめしや丸焼き等のイカを使った料理も多く、日本は何とイカの消費量世界一なのです! でも実際のところ、世界中で数百種類と生息しているイカのうち、私たち日本人になじみ深いのはヤリイカ、小イカ、ホタルイカ等、それほど多くはありません。
  イカの中でも料理によく使われるのは胴が細長い「ヤリイカ」や「スルメイカ」。「ヤリイカ」は日本各地で捕れ、胴長は30〜40cmで、特に冬から春にかけては産卵のために日本海沿岸に接近するので大型のものが捕れます。
  「ジンドウイカ」は、全国的には「小イカ」という名前で知られていますが、ヒイカ、アカイカ、ケンイカ等と呼ぶ地域もあります。甘みが強く、濃厚で深い味わいなので刺し身や煮付けにします。ヤリイカやスルメイカに形は似ていますが、胴長は12cm程と小さいのが特徴です。
  ジンドウイカよりも小さい「ホタルイカ」は、体表にたくさんの発光器があり、刺激が加わると名前の通り海中でホタルのように光ります。産卵直前の3〜5月が旬で、刺し身やボイルにして食べますが、刺し身にするときは中の内臓を取り除いて水洗いしないと中に寄生虫がいる可能性があるので注意が必要です。

ヤリイカ   ジンドウイカ   ホタルイカ
ヤリイカ   ジンドウイカ   ホタルイカ

  そして日本同様にイカの消費量が多いのがヨーロッパです。ギリシャにはトマトベースのギリシャ版イカめしともいうべき「カラマリ・ゲミスタ」、フランスの港町セートにはトマト風味のイカの煮込み、ポルトガルには魚介をソーセージと一緒に煮込んだ鍋料理「カタプラーナ」、スペインにはイカ墨のパエリヤやイカのフライなど、数々のイカ料理があります。
甲イカ
甲イカ
  これらの国々でよく使われるイカのひとつが甲イカで、丸みを帯びた体に貝殻のような石灰質の甲を持つイカの仲間です。発達した大きな墨袋を持ち、量が多いだけではなく、色が濃いのでイカの墨煮のような料理の他に、絵の具の材料にも使われていました。セピア色とはこのイカ墨を材料にして作っていた絵の具の色のことで、甲イカを意味するラテン語のセピアが語源となっています。
  イタリアはヨーロッパ諸国の中でもイカをよく食べ、この甲イカも小さいものを丸ごとフライにしたり、茹でてドレッシングで和えてサラダにしたりと、いたってシンプルに家庭でも食べられているようです。他にもヤリイカの胴に詰め物をしたり、フライやグリエにしたりと様々な料理がありますが、その中でも最も特徴的と言えるのは「イカの墨煮」ではないでしょうか。海沿いの地域のいくつかに見られますが、特にヴェネツィアのあるヴェネト州あたりのものは有名です。温かいまま、冷たくして、前菜として、魚料理として、いろいろな食べ方があり、また墨煮を利用して真っ黒なリゾットやパスタ等を作ることもできます。日本でもイカ墨のパスタやリゾットはよく紹介されていますよね。
イカの墨煮
イカの墨煮
  そして、ヴェネトのイカの墨煮の付け合わせとして欠かせないものがポレンタ。これはとうもろこしの粉を粥状に炊いたもので、炊きたてはもちろん、冷やし固めたものをカットしてフライやグリエにしたり、食べ方も様々です。黄色いポレンタが一般的ですが、白いものもあり、最近では日本でも手に入るようになりました。白いポレンタはデリケートな魚料理に合うとされていますが、今回は手に入りやすい黄色いポレンタを添えました。
  さて、イタリアでは墨煮を作る時には先ほど紹介した甲イカが使われます。甲イカの墨と肉厚な身が煮込み料理にぴったりだからです。そして一番大事なのはイカの鮮度。本当に新鮮なイカの墨は全く生臭さがなく、旬のものなら尚一層おいしく食べられます。
イカの墨煮のケック
イカの墨煮のケック
残念ながら、日本のスーパー等では生の甲イカはあまり見かけないので、今回はヤリイカを使ったイカの墨煮をご紹介しましょう。
  そしてもう一品。フランスで見かけた墨煮を使ったケック(パウンドケーキ)を紹介します。イカのケーキ?と思われるかもしれませんが、ワインとの相性はばっちりです。一口大に切って並べてホームパーティーのおつまみにするもよし、皿に盛れば本格な一品料理にもなりますよ。イカのケックで、ちょっといい休日を演出してみてはイカがでしょうか?

Buon appetito !!




このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ イカの墨煮
レシピ イカの墨煮のケック

西洋料理担当
人物 須藤 宏明
西洋料理担当
人物 石川 大樹
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