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連載コラム 怖くない、怖くないインターナショナルクッキング
和・洋・中と並び、世界には美味しい料理が数多くありますよね。「食べたことはあるけど作り方を知らない」とか、「作ったこともあるけど何か物足りない」ってことないですか?ちょっとしたスパイスを加えることで、料理の味付けはガラリと変わります。スパイシーな料理からちょっと珍しいデザートまで紹介しましょう。
メキシコを代表する3つのお酒!
   メキシコの国民的三大地酒としては、テキーラTEQUILA、メスカルMEZCAL、そしてプルケPULQUEが挙げられます。中でもテキーラは世界的にも有名ですが、他の2つメスカルやプルケもメキシコ人にとっては日常的なお酒です。今回は、この三大アルコールについて紹介しましょう。

   まずは、プルケからです。白濁したカルピスのような飲み物で、アルコール度はほぼビールと同じです。
プルケ
プルケ
竜舌蘭の一種のマゲイ
竜舌蘭の一種のマゲイ
プルケの原材料は、アロエを大きくしたような形の竜舌蘭(リュウゼツラン)の一種であるマゲイMAGUEYという植物です。マゲイは、古代文明の頃から日常的に使われる一方で、メキシコでは神聖な植物とされ、宗教儀式や祭りにも欠かせないものだったといいます。葉は固く腐りにくいので家の屋根に使ったり、また肉厚な葉は繊維を取り出して布を織ったり、葉の先の棘は縫い針にしたり、植物全体が生活に利用されてきたそうです。プルケはこの植物の中心部にたまる樹液、つまりアグア・ミエルAGUAMIELと呼ばれる蜜水から作られます。これをアココテと呼ばれる細長く巨大なひょうたんで吸い取って集め、ティナカル(プルケ製造所)へ運び、大桶の中で7〜14日間発酵させるとプルケになります。今日でもその消費量は、メキシコで飲まれる総アルコール量の1/4を占めると言われています。
   後から述べるテキーラやメスカルは、マゲイ(プルケとは異なる種類)の基部を蒸し煮し、発酵、蒸留した蒸留酒ですが、プルケは中心部に溜まった樹液を発酵させただけの「どぶろく」のようなお酒なのです。

アココテを使っての採集風景   できたてのプルケ

アココテを使っての採集風景

 

できたてのプルケ


   次にメスカルについてです。メスカル用マゲイはプルケ用マゲイの2/3ほどの大きさで、低地の暖かい地方で栽培されています。採集時期になるとコアと呼ばれる道具で葉を切り落とし、肥大した茎の根元のみにします。この形がパイナップルに似ているところからピニャ(パイナップルの意)と呼ばれ、重さは1個40〜90 kg ほどにもなります。

葉を切り落とす 収穫されたピニャ コアで半分に割る
葉を切り落とす   収穫されたピニャ   コアで半分に割る

   採集したピニャは幾つかの塊に砕いて露天炉に積み、乾燥したマゲイの葉を上にかぶせて焼きます。
グサーノ
グサーノ
焼き上がったピニャは、さらに細かく砕き、馬やロバの引く車輪形の臼でドロドロになるまですりつぶします。こうしてできた繊維と絞り汁を大桶に移して約4日間発酵させ、発酵作業を終わったものは、簡単な装置を使って蒸留します(蒸留技術は、8世紀ごろムーア人によってスペインへ伝えられ、スペイン人によってさらにこの国に伝えられたもの)。最終蒸留を終えたメスカルは、素焼きの大甕にひとまず受け、その後小売りされます。テキーラよりは少々青くさいのが特徴で、現在はオアハカ州のものが有名です。また瓶のなかに唐辛子や、竜舌蘭に寄生するグサーノ(ゾウムシの一種)の幼虫(メキシコではもともと食用とされている)、サソリの抜け殻などを入れたものもあります。販売促進の話題づくりのためだそうです。

   3つ目にブランド化したテキーラについてです。
テキーラ
テキーラ
まずテキーラとは、メキシコ国内のハリスコ州とその周辺で、アガベ・アスール・テキラーナ (Agave Azul Tequilana) と呼ばれるマゲイから造られるメスカルです。製造過程は、工場の規模の違いを除けば本質的にはメスカルの場合と同じで、マゲイの葉を切り落としたピニャを、幾つかの塊に砕いて熱を加えます。火が通ったピニャは再度細かく砕き、タンクの中で圧搾してジュースを搾り取ります。これに30%以下の砂糖を加え、4日間発酵させた後、2段階にわたって蒸留したものがテキーラです。メスカルは1回しか蒸留しないのですが、テキーラは2〜3回蒸留されます。
   テキーラとしての規格は、主原料がアガベ・アスール・テキラーナという品種でなくてはならないという事と、主原料が総原料に占める割合は51%以上で最低2回の蒸留がされていなくてはならないという事です。また法定産地は、ハリスコ、グアナファート、ナヤリ、ミチョアカン及びタマウリパスの5州だけに限られています。

   さて、お酒の話はこれくらいにして、今回の料理について説明しましょう。メキシコに限らず中南米の国々でよく作られている料理の一つに「セヴィッチェ」があります。日本料理風に伝えるのであれば、「新鮮な魚介類のキズシ」と言えばよいでしょうか? 食べやすく切り分けた魚介類をたっぷりのライムやレモンジュースに漬け込み、白く変色してから野菜やオリーブ油などを加えて調味した前菜としての料理です。



このコラムのレシピ

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レシピ セヴィッチェ

スパイスの魔術師
人物 三木 敏彦
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