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【半歩プロの西洋料理】 豆を食べる日々②
2016年06月08日

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【半歩プロの西洋料理】ってどんなコラム?


 前回は豆をよく食べるようになった話と共にアレンジしたパスタを紹介したが、今回は店頭でよく見かける豆類を紹介してみようと思う。

 主としてよく使うのは、さやいんげん、スナップえんどう、絹さやといった通年出回るものであるが、他にも様々な種類の豆がスーパーの野菜売り場には並んでいる。大きく分けてさやごと食べるものと豆だけを食べるものがあり、それぞれに味わいが違うのだが、フランス料理風に火を通すとどうしても柔らかくなりすぎてそれぞれの持ち味が損なわれてしまうようである。我が家では基本的に若目にゆでておかあげにするのが常で、日本風のカリカリした食感と色を大切にした火通しと比べればやや火を通し気味にしているが、火を通しすぎると豆の風味(青臭く感じたり、少し苦味を感じたり・・・)や歯ごたえが残らないので用途に合わせて火通しをコントロールすることに留意している。

 スーパーに並ぶいくつかの豆を私流の使い方と共に紹介してみよう。


三度豆(さやいんげん)





 どじょういんげん(ケンタッキーワンダー)に代表され、若取りしてさやを食べるもの。未熟な豆はまだ小さくたんぱく質は少ない。ゆでた後、ドレッシングなどで食べたり、バターで和えたりと油脂分と合わせての摂取がおすすめ。フランス料理ではたっぷりの塩を使ってくたくたにゆでる食材だが・・・、少なめの塩でやや固めにゆで、軽く塩を振っておかあげにするか、熱いまま冷たい八方だしに落とすと甘みが引き立つ。個人的には色を止めるために氷水に落とすことをせずにゆであがりの熱いものを八方だしや、ドレッシング、マリネ液などに漬け込む方法をとっている。最近流通しているものの多くは「すじなし」と言われて筋が少ないものであるが、柔らかくゆでればゆでるほど筋が気になるので、煮込みやスープに使う際には特に注意している。

 最近よくみられる大ぶりでやや平べったいモロッコいんげん(写真下)は煮物にするときはそのまま、炒めものにするときには下ゆでしてから使っている。サラダに使う際にはやや柔らか目にゆで、熱いうちにカットしてドレッシングに漬け込む。ハムやツナなどと和えるとおいしい。


さやえんどう



 小ぶりな絹さや、大ぶりなオランダなどがよく出回る。さやがやさしいので、筋取りをきちんとしないと筋が口に残ることが多い。収穫から時間がたつと筋は固くなるがもろく切れやすくなるのでとりにくくなる。そのため、購入後すぐに筋取りをしてから、小分けしてキッチンペーパーで包んだ上でビニール袋に入れて保存している。私も昔はたっぷりのお湯に塩を加え、さやの色が深みがかって来ればすぐに冷水に落とすという火通しをしていたのだが、色はきれいでも青臭さが強く豆の持つ甘みが出てこないと感じ、最近はやや早めにおかあげにして冷たい液体濃縮昆布だし(醤油の入っていないもの)を絡めて冷ますようにしている。少し火が通りすぎるとさやが割れてしまい未熟な豆が飛び出してしまうので、添えるだけの場合と、汁に入れたり、更に炒めたりして再度熱を加える場合で火通し加減を変えている。特に強くとろみをつける料理に使う場合には熱の加わり方が強いため、かなり若目に火を通すようにしている。


スナップえんどう



 アメリカ生まれ、さやも豆も楽しめる食材で、我が家ではただゆでるだけでポリポリと食べることが多い。筋が太くてゆでると二つに割れてしまうことが多いので火通しはいつも控えめにしている。一般的には2分弱ゆでるといわれているが、私流は1分30秒を目処にして収穫後時間のたったものは少し長めにゆでるようにしている。控えめの塩でゆで、おか上げにして、用途に応じて熱いうちに軽く振り塩をするか、八方だしにつけるか、濃縮液体昆布だしを絡めるかを選ぶ。最近はさとうえんどう(さとうざや)という、甘みが強く、さやが薄く、豆のしっかりしたものが出回っていて、これはさらに早く火が通るので10秒早くを目処にしている。


うすいえんどう



 決して高級な食材ではないが、この季節しか生が出回らない豆である。代用にグリンピースの冷凍や水煮を使うことも「彩り」ではできるのだが・・・。私的には下ゆでせずにそのまま使うことが多い。むき身にしてきれいに洗いやや濃いめの塩水(1.5%ぐらい)に15分ほどつけるのが下処理になる。適量の水で煮て味を付けわかめとあわせたり、卵とじにしたりと和食に使うことがほとんどである。高級な店ではさやでだしを取ってご飯を炊き、別に薄く味を付けて煮たえんどうを合わせて豆ごはんにするようだが、我が家では昆布と塩だけで味を付けて普通に水加減をした炊飯器に大量の豆を投入して普通に炊飯する。豆は柔らかくなってつぶれやすくなるし、しわが寄って見た目も悪くなるが、豆の味を吸ったご飯の味は格別で、豆が無い部分の冷ごはんもまたおいしいものである。


枝豆



 大豆や黒豆のさやの青いうちに収穫したもので、海外でもよく使われている。
 産毛を塩でこすって落とすとか、さやの両端をはさみで切るとか、ゆで上がりに軽く塩を振るとかそれぞれに自分流のこだわりを持つ方も多いだろうが、何よりも鮮度が大切な食材である。まだ水分の残っている枝についているほうが、枝は根が残っていてまだ土が濡れているほうが・・・。といった具合で、いつ収穫されたかわからない乾いた感じのさやなら冷凍のもののほうがよほどおいしいと感じた方も多いと思う。私流には枝からはさみで切りおとし、塩でもみ洗いして2%ぐらいの濃い塩水でやや固めにゆでて一つ食べて火どおり加減を確認した上で、水気を切った後に全体に塩をふりかけてゆでていた鍋に戻して蓋をしてしばらく蒸らしてからザルに取り出している。
 また、冷凍の枝豆を使う際には再加熱せず自然解凍のままが一番良いと思う。


空豆



 乾燥のものは古代より使用されていて、エジプトでは乾燥した空豆を戻してすりつぶし、コロッケのようにあげて食べるファストフード的な食べ物もある。私自身も乾燥空豆を炒ったいかり豆や油で揚げたフライビーンズはポテトチップスを知るよりも幼いころから食べていた記憶があるし、乾燥したものを炒って醤油につけた醤油豆やそれを使った炊き込みご飯も昔から口にしている。居酒屋さんでさやごとこんがりと焼いた一寸豆というものもおいしいのだが・・・、私としてはやはり塩ゆでしたものが一番で、さやから取り出し、お歯黒を爪で外して1%の塩加減のたっぷりのお湯でゆでる。ゆで時間は30秒前後、軽く塩を振っておかあげにするというのが定番である。むき身にしたり、お歯黒を外したりするとあっという間に火が通るので注意したい。


豆苗
 安くて我が家でもよく使う食材。見た目よりおなかにたまるので主菜のボリュームの無いときに登場する。根を残しておくと2回食べられるので、今もキッチンの窓のところで再生中である。薄揚げと炒め煮にしたり、白和えにしたりと兄弟的な食材との組み合わせが我が家の定番。下ゆで無し、火通しは浅目、弱火でゆっくり加熱すると出来上がった料理から水分が出てベチャッとすることが無い。

蒸し豆、ゆで豆
 乾燥豆を戻して使うと料理の幅も広がるのだが、戻し時間がネックで中々使うことが少なかった。だが、ここ数年様々な豆をゆでたり、蒸したりしたものが流通している。豆は一般にゆで汁に栄養分が逃げているといわれるが、蒸したものならその心配もないと思い、我が家の常備食として蒸し豆を準備している。煮込みやサラダに使うだけでなく、酒のつまみにそのまま口に運ぶことも多い。また水煮のゆで豆は基本的にゆで汁ごと使用するようにしている。

乾燥
 基本的に乾燥品は戻すのが手間なので使うことは少ないのだが、戻す手間のいらないレンズ豆やダールは個人的に好きなので常備していて、サラダや煮込みにする。本来たっぷりの液体でゆでるのだが、これらの豆は小ぶりですぐに火が入るので、リゾットを作る際の要領で少しずつ水分を加えながら火を通して、大量の煮汁が残らないように注意し、栄養分の流れ出た煮汁はすべて料理に使うようにしている。

冷凍
 冷凍の豆で一番使い勝手がよくおいしく食べられるのは枝豆だが、我が家では枝豆を買っておくことはない。なぜなら非可食部分が多く冷凍庫の中で場所をとるからである。料理に彩りを添えるとか、ちょいたしにとか使うものとしてはグリンピースの冷凍を常備していて、凍ったままでの加熱が基本である。

 最近は大豆たんぱくが肉塊、スライス肉、ミンチなどに見立てた形状でスーパーに並んでいるし、中食として店頭に並ぶおそうざいにもこれらを使ったものが見受けられるようになった。インドでも白米中心の地域では豆が第二の主食として必ず食卓にのぼっているようであるが、我が家でももっと豆を食事の中に取り入れてゆきたいと考えているこの頃である。
今回は季節の豆(若取りしたもの)を大量においしく食べることのできるものをと、一皿で食事が完結するボリューム満点のスープをご紹介したい。

このコラムの担当者

此 上 潤

このコラムのレシピ

たっぷりの豆と押し麦のスープ

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