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【好吃(ハオチー)!中国料理】中国ハムなんて作れるの?
2010年03月17日

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<【好吃(ハオチー)!中国料理!】ってどんなコラム?>

塘:最近気に病んでいることがあります。
増吉:どうしたんですか、いきなり深刻な顔をして。
塘:あの中国冷凍餃子の毒物混入事件(2007年11月)ありましたよね。あれって、結局原因がよくわからないし、首謀者もわかっていない、混入事件。事故防止のための大した対策もその後とってなさそうだし、事件がうやむやのまま世間から忘れ去られようとしている。ああいう終わり方では、またいつか同じような事件が起こると僕は見ています。中国料理を生業にしている僕らにとってちょっと迷惑ですね。

増吉:ああ~、あの時ほど食の安全について考えたことはなかったですね。本校の実習、講習の食材は今も昔もほとんど国内のものを使っているけど、あの事件当時は「危ない中国産の食材を使っていないか」と疑いの目で見られたこともありました。
塘:たとえ中国産の食材でも信用のおける所で仕入れているので問題はないのですが、中国料理をやるからにはどだい、100%日本国産でというのは無理!たとえば四川産の豆瓣醤。あれが無いと本格的で、現地と同じ風味の麻婆豆腐は作れない。やっぱり生徒さんには本物を食べさせてやりたいもんね。

増吉:そうですよね。外国の料理を作るのに外国の食材、調味料は避けては通れません。
塘:でも、それらの食材や調味料が輸入禁止に陥ることだってある。そのとき「ありません。作れません。」じゃだめだと思う。現に昔そんなこともあり、そのたびに代わりのものを探すのに四苦八苦。日本のどこかで作ってないかな~と探すのに大変大変。
増吉:それで気に病んでたのですね。
塘:そう。もし自家製で本物に近いものを作り出せたらなあ・・・って。そこで今回のコラムは自家製食品のひとつに挑戦いたしました。それは「火腿(フオ トェイ(:中国ハム)」。

金華火腿(南腿)の写真 表側

裏側 骨がはずされていて加熱してある

増吉:「火腿」って料理の風味づけに使ったり、広東料理では高級スープの「上湯シャン タン」に使ったり、XO醤の材料に使うやつですよね?そりゃ無理なんじゃないですか。本当にできるの?
塘:前もって言っておきますが、失敗するかも。でも、やってみる価値はある。今は「火腿」は(防疫の関係で加熱してあるものに限り)安定して輸入されています。しかし、狂牛病騒動のときアメリカ産の牛肉が一時輸入禁止になった例がある通り、豚だってそんなことが起きるかもしれない。第一自家製で本物に近いものを作り出せたら面白いじゃない。
増吉:なるほど。面白そうなのでやるんですね。
塘:・・・。(少し沈黙) よし!ここで「火腿」についての豆知識を。

「火腿」は主に中国の浙江省、江蘇省、雲南省、甘粛省、四川省、貴州省などで作られる。特に浙江省の金華、義烏、蘭渓地方で作られる「金華火腿(南腿)」、雲南省宣威県の「宣威火腿(雲腿)」、江蘇省如皋の「如皋火腿(北腿)」は良質なことで有名。

「金華火腿」は今から約900年前の南宋の時代、浙江省の金華地方が発祥といわれ、北方民族の金と争った南宋の名将、宋沢によって作られたという逸話が残っている。塩漬け肉が火のように赤い色をしていたので「金華火腿」と名づけたられたらしい。ちなみ「火腿」って生ハムの仲間なんだよ。

製造方法は地方により、いろいろあって、複雑。金華火腿に至っては工程が100に及ぶとか。ここでは紙面の関係もあるので、ものすごく簡単に説明するが、以下の3つの工程に分けることができる。

① 塩をとにかく多量にまぶして、塩漬け。
② しっかり塩分がいきわたったら、表面を洗い、つるして屋外の風通しのいいところに陰干しする。
③ 硬くなるまで干したら、屋内の涼しいところに移し、さらにカチカチになるまで、乾燥させながら熟成。

塘:私は詳しいことはわからないので、工程の大部分が推理に頼るが、まあなんとかなるじゃないか。とにかく作ってみよう。  以上


増吉:以上ってわからんことが多すぎ!かなり楽観的ですね。
塘:うん。相当行き当たりばったりで、うまくいくかどうかはほとんど運任せ。でも失敗したらしたで、その敗因を次回に生かせたらいいのだ。

今回は①の工程を中心にレポートします。
まず材料の豚もも肉は以下の写真の通り。おおBIG! 教材部の小川先生ありがとうございます。


約12kgの骨付き、皮付きもも肉

洗って表面をきれいにし、金串でピケして塩が回りやすいようにする。これが結構、皮が硬くて大変。

下の写真はまぶす調味料、香辛料です。

塩1.5kg、硝酸カリウム(発色剤)50g、白胡椒20g、黒胡椒20g、焼酎(癖のないもの)200ml

これを肉に満遍なくまぶし、ビニールに包み、重石をかけて1週間。

発色剤を使うには少し抵抗があるが、仕上がりの色がぜんぜん違ってくるし、皆さんにきれいな写真を見せたいので使うことにします。

ここで大事なことは、②の干す期間が多分3~5ヶ月はかかるとふんでいる。だから腐らないようおもいきり塩を利かすこと。日本の熱い夏を乗り越えるためには塩をケチるとだめ。下の写真は1週間漬けたところ。だいぶ水分、血が出てきた。

肉汁をこのまま放っておくと腐る原因になるので、もう一回洗って上記と同じ分量の塩、香辛料で漬け直しをする。さらに2週間漬ける(途中3~4回ひっくり返す)。肉を押し、しっかりした弾力がでればOK。下の写真は漬け直しで塩、香辛料をまぶしたもの。

塘:今回はこれまで。次回は干すところまでの工程をリポートします。ああ出来上がりが楽しみだ。
増吉:でも、皆さんあんまり期待しないでくださいね、なんせ行き当たりばったりですから。


塘:そうそう、今回のレシピは空豆と小エビの炒め物です。これもお楽しみに。
増吉:ポイントは空豆とエビの火の通し方と温度。ソラマメは火を通しすぎると緑色が飛んでしまう、エビは油のなかにくぐらすが温度が高いと火が通り過ぎて硬くなりやすい。塩味のシンプルな味付けですが、割りと繊細な料理です。

<コラム担当者>

土佐の麺吉 増吉 雄樹

<このコラムのレシピ>
空豆と小エビの炒め物

<バックナンバーはこちらから(~2009年8月迄)>

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