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食のコラム&レシピ

【辻調おいしいレシピ・Pick UP! 食材編】第14回 寒締め

辻調おいしいレシピ・Pick UP!

2021.01.19

●本日のレシピ
彩り野菜のバター風味

植物は環境の変化に対して、移動して逃げることができません。
気候の変化にも順応しようとしますが、急激な変化には対応できないため、温暖化によって様々な作物の適地が北上しています。
そのうち有名ブランド品種が全部北海道産になったりして。

ところで野菜が身を守る術として、このような変化を見かけることはありませんか。
・葉の一部が紫色に色づいているキャベツ
・つぼみが紫色になったブロッコリー
など、これらは寒さなどに対応するために植物が光合成をコントロールしている光景。
アントシアニンを生成し、それがサングラスのような働きをしてエネルギーを作り過ぎないように光合成の働きを抑えている様子です。
これは食品としての品質の低下を意味するものではなく、逆に好んでこれらを選ぶ方もいらっしゃいます。(味が濃縮されているなどの理由で)


また、ほうれんそう、小松菜などの冬野菜は寒さに耐えるため糖分を増やし、氷点下でも凍らないように(凝固点降下)して身を守ろうとします。
そこで、糖度を上げるためにあえて寒さを利用して栽培したり、保存したりする野菜もあります。
「寒締め栽培」、「雪の下野菜」、「雪中野菜」、「越冬野菜」などという名前で販売されているのがそれです。
さらに、寒さにさらされることで、特定の栄養素が増加するケースもあります。
そこに着目して、生鮮食品でありながら「機能性表示食品」に登録している商品も出てきました。
たとえば寒締め栽培を行い「ルテイン」を一定量以上含有している「ホウレンソウ」など。
寒さにさらして育てることで、糖分やビタミン類だけでなく「ルテイン」という成分の含量を増やすことで「機能性表示食品」に登録しています。

※ルテイン...特に眼には多く存在し、体内でつくることはできないので食事で摂取することが重要。

企画部 藤井嘉人