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【半歩プロの西洋料理】わが、薬味考(というほど大したものではないが・・・)
2017年08月23日

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【半歩プロの西洋料理】ってどんなコラム?


少し前から「薬味」というものが流行っているようである。

書店に行くと「薬味レシピ」なるものが特集された雑誌やムックが数多く並んでいる。

こういったレシピには血液をきれいにするとか、老廃物を排出するとかいったデトックス効果がうたわれているものが多い。


デトックス効果は抜群、薬味ブームのさきがけ?数年前と比べて普及が進んだ「パクチー」

本来「薬味」というのは、漢方薬を構成するそれぞれの生薬のことで、漢方薬とは、一つ一つの生薬の持つ「気持ちを落ち着かせる」とか「熱を下げる」といった単純な効能を複数組み合わせて作るものだそうである。

これらの生薬は独特の味わいや香りを持っており「香辛料(スパイス)」という呼び名で古くから料理に利用されてきたものが少なくない。

「香辛料(スパイス)」というとすぐに思い浮かぶインド料理では、スパイスとは植物由来のもので、料理に味、香り、色などと共に様々な薬効を与えるものとされている。これはクミンやコリアンダー、ターメリックといった狭い意味でのスパイスだけに限らない。たとえば、玉ねぎはソースに「甘味」を付け、「とろみ」を付け、「血行を良くし、消化を助けて、便通を良くする」という具合でスパイスに含まれるし、多くの野菜においても同様である。

インドの家庭の必需品「スパイスボックス」は漢方の薬箱?

西洋料理の必需品「こしょう」は生のこんな形でアジアの料理に登場

西欧の文化においては、調理の上で味や香り、色を付加する補助的な食材として、採取したままの葉や酢漬け、乾燥させて使用するものなどをハーブと呼び、種子や果実、根、樹皮などを使用するものをスパイスと呼んでいる。先に例にあげた玉ねぎなどはどのような役割を担おうとスパイスではなく、香味野菜として扱われる。料理の味わいに変化を加えるために、酢漬けや塩漬けにしたきゅうり、玉ねぎ、オリーブなどといったものや、塩漬けにした魚(例えばアンチョビー)や肉(例えばベーコンやハム)などをごく少量を使用することもある。


2009年に紹介した「オリーブの塩水漬け」や2015年の「シトロン・コンフィ」も立派な薬味?

日本の食生活においては「スパイス」といった言葉を使うことは少なく「薬味」と呼ばれるものを利用する。しかし、薬味の役割も「香辛料(スパイス)」と同様であり、利用される食材もねぎ、わさび、山椒、しょうがを始めとして、しそ、茗荷、にら、柚、すだち・・・と数多く存在していて、どれもスパイスであり、ハーブである。


日本家庭の代表的な薬味「青ねぎ」や我が家で育った「大葉じそ」も立派なハーブ

パクチーが流行り、料理の中に様々な形で取り入れられる近年、海藻やじゃこ、魚粉、削り節など日本独特の食材や西欧、アジアの食材と共に、様々なハーブやスパイスが活用されて、「薬味」という呼び名で料理を彩ることが増えてきているようである。料理に様々な変化を与えるこれらの食材は、それぞれの単純な効能を複数組み合わせて新たな食の魅力を作り出す。それはまさに生薬と漢方薬の関係であり、人の体に効果をもたらせば漢方薬、料理を通して皿の上に結果を表せば香辛料や薬味と呼ばれるのかもしれない。


近ごろは、こんな見たこともないようなハーブ類も簡単に手に入るようになりました

このコラムの担当者

此上潤

このコラムのレシピ

柑橘類とお米のサラダ

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