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【百人一首と和菓子】夏の川
2015年07月08日

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<【百人一首と和菓子】ってどんなコラム?>



お菓子について
 
先人の涼の知恵の中に「納涼床(のうりょうどこ)」があります。「川床」と書いて「かわどこ」や「かわゆか」などと読みます。京都の夏の風物詩といってもいいでしょう。川の近くまたは川の上に座敷を作り、そこで料理やお酒を味わいます。暑い夏に涼を楽しみ、自然に囲まれ川のせせらぎに耳を傾け、緑の木々を眺めながら清々しい空気が漂います。
私は海のない地域で育ったので、子供のころは、夏休みになると家族や友達と近くの河原で泳いだり、バーベキューをしたり、岩から飛びんだりして一日中遊んでいました。

今回は
白羊羹を水色に染めて  川全体の雰囲気を
かるかん生地で  川しぶきを
白小豆の蜜漬けで  玉じゃりを
銀ぱくで  水面にうつる太陽光の反射を
透明の錦玉羹感で  川の流れを
それぞれ表現しています。
冷やして食べるとよりいっそう美味しくいただけます。


豆辞典
27 中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)
 中納言は役職名で、本名は藤原兼輔(ふじわらのかねすけ)。平安時代前期の歌人で、西暦877~933年を生きた人です。堤(つつみ)中納言とも呼ばれましたが、これは、邸が賀茂川の西側の堤(=土手)近くにあったからです。三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)という歌詠み名人に名前が入っています。歌の世界の中心人物でした。『源氏物語』を書いた紫式部(57番の歌の作者)の曽祖父(=ひいおじいさん)にあたります。

 さて、歌の方ですが、
みかの原を分けて湧いて流れるという「いづみ川」の「いつみ」という言葉のように、いつ逢ったのだろうか。こんなにも恋しいなんて。
というくらいの意味です。

 「みかの原」は京都府木津川市の地名で「瓶原」と書きます。瓶(みか=酒を造るのに使われた大きなかめ)を埋めたところ、水が湧いたという言い伝えがある地域です。「いづみ川」は現在の木津川ではないかといわれます。「いづみ」と「いつみ」は清音と濁音の違いがあって、正確には発音が違うと現代の私たちは思いますが、平安期の人たちは、清音と濁音の違いをあまり気にしていなかったので、ほぼ同じ発音とこの歌では解釈しています。「みかの原 わきて流るる いづみ川」までが「いつみ」を引き出すための言葉、「序詞(じょことば)」になっています。

 「いつみきとてか(いつ逢ったのだろうか)」の解釈に2通りあって、顔を見ることなくうわさで憧れで恋をしているというものと、一度は逢ったのだけれど、その後なかなか逢えないで恋しく思っているというものです。さて、あなたはどちらに解釈しますか?

このコラムの担当者

いつも陽気な和菓子職人
今成 宏

辻調の御言持(みことも)ち
重松麻希

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