「地方料理の集合体」などと形容されるイタリア料理。ちょっと堅苦し〜い表現ですが、つまりは「土地のマンマ(お母さん)の味」ということ。「イタリアの家庭で作られるおふくろの味を日本の食卓へ!」をテーマに、皆さんよ〜くご存知のこれぞイタリア料理から、日本では無名に近い地方料理まで、ただひたすら個人の趣味でご紹介。「イタリア料理はmammaのマンマ」の思いをタイトルに込め、辻調グループ校「イタリア大好き!!!」職員が、遠き恋しきイタリアを想いながら好き放題、いえ、自由に綴る偏重コラム。星付きレストランの料理も!と、時にはテーマを外れて大暴走なんてことにも!?
本田(以下H):
今回のテーマはピッツァです。ピッツァ発祥の地は知ってる?
岡田(以下O):
イタリアのナポリですよね。それくらい知ってますよ。
H:
じゃあ、いつ頃できたと思う?
O:
うーん、まったくわからないや。
H:
じゃあ、まずはピッツァの歴史を調べてみよう。
ピッツァの先祖は、生地を平たくのばして焼いたフォカッチャだと考えられている。ナポリにピッツァの原形とも言えるものが誕生したのは1600年代半ば頃。具はラード、バジリコ、チーズで、「マストゥニコーラ」と呼ばれていた。
O:
ピッツァなのにトマトを使ってないんですか?
H:
トマトを使わないというより、まだこの頃は、食用としてあまり定着していなかったみたいだね。トマトは南米原産で、1500年代前半にヨーロッパに伝わった後、200年くらいは観賞用の植物だったらしいからね。
O:
もったいない話ですね。トマトがピッツァの具に使われたのはいつからなんですか?
H:
それじゃあ、ピッツァ・アッラ・マリナーラの話をしよう。
1700年代半ば頃、はじめてトマトがピッツァの具となった。ピッツァ・アッラ・マリナーラの誕生である。もともとはトマトとオリーブ油だけのシンプルなものであったが、後ににんにくとオレガノが加わった。マリナーラとは「船乗り」の意味だが、なぜその名前がついているかには諸説あり、「船乗りが船にのせて持って行ける調味料を使っているから」、「船乗りが立ち寄ったパン屋にリクエストし、ありあわせの材料で作らせたから」などといわれている。ピッツァ・アッラ・マリナーラはすべてのナポリピッツァの基本ともいえるであろう。
H:
ピッツァの基本だけあって、素朴なんだけどいい味出してるよね。
O:
確かにおいしいです。でも僕はピッツァ・マルゲリータのほうがやっぱり好きだなあ。
H:
おお、ナポリピッツァといえばもうひとつ忘れてはならないピッツァ・マルゲリータ。それじゃあ、マルゲリータのことも紹介しよう。
O:
(・・・たまたま知ってるのを言ってみただけだったんだよね)・・・はい、すぐに調べます。
元祖マルゲリータのブランディ
誕生100周年の記念プレート
「100年前、ピッツァ・マルゲリータは
ここで生まれた」
ダ・ミケーレ。ブランディと並ぶ人気店!
マリナーラとマルゲリータしか
おいていない!!
1889年、イタリア国王であったウンベルトT世とマルゲリータ王妃がナポリに滞在した際に、当時ナポリ一と評判だったピッツァ職人「ピエトロ・エ・バスタ・コスィ」(現ブランディ)のラッファエーレ・エスポージトが献上した3種類のピッツァのひとつ。 王妃はこの色鮮やかなピッツァを大変気に入って名前を尋ね、エスポージトはすかさず「ピッツァ・マルゲリータでございます」と答えたといわれている。最初はトマトとモッツァレッラのピッツァを献上するつもりだったところに、エスポージトの妻のアイデアでバジリコをトッピングしたという説もある。
トマトの赤、モッツァレッラの白、バジリコの緑がイタリア国旗の色と同じである上に、シンプルながら味も良いことからピッツァの代表格となった。
O:
見た目も、味も、名前の由来まで良いですよね。
H:
「真のナポリピッツァ協会」が認める「真のナポリピッツァ」とはこの「マリナーラ」と「マルゲリータ」の2つだけなんだよ。
O:
ええ、そうなんですか? ナポリピッツァ協会は厳しいですね。
H:
うん、でも伝統的なピッツァを後世に残すためにも、しっかりと決め事を作らないとどんどん違うものに変わってしまうからね。だから協会はピッツァに使う材料や作り方、焼き方まで、細かな規約を定めているんだ。それを要約すると、「真のナポリピッツァ」と呼ばれるためには、最低でも以下のような条件を守らないとだめなんだよ。
生地に使用する材料は、小麦粉、酵母、塩、水の4つのみ
生地は手だけを使って延ばす
窯の床面にて直焼きする
窯の燃料は薪もしくは木くずとする
仕上がりはふっくらとして、「額縁」がある
上にのせる材料にもこだわる
「真のナポリピッツァ協会 日本支部」HPより
1枚のばすのに約10秒程度!!
高温で一気に焼き上げる
O:
先生、額縁って何ですか!?
H:
ピッツァの端の部分をコルニチョーネ、つまり「額縁」って呼ぶんだ。あのモチっとした食感の「額縁」は、ナポリピッツァのおいしさでもあり特徴だよね。
O:
なるほど! ピッツァの「額縁」、何だかピッタリの名前ですね。
H:
この「額縁」は、麺棒で延ばすと、生地の中のガスが抜けすぎてうまくできないらしいんだ。
O:
だから手で延ばすのが決まりなんですね。
H:
他にもいろんな決まりがあって、オリーブ油を混ぜて作るピッツァの生地もあるけれど、ナポリピッツァでは具の上から振りかけることしか認められていないし、使えるチーズも、モッツァレッラ、パルメザン、グラーナ・パダーノ、ペコリーノの4種類!
O:
ナポリピッツァはシンプルだけど奥が深いですね。
H:
他にはない唯一無二の存在だよね。
O:
よーし、ぼくも「真のナポリピッツァ」を作れるように頑張ろう。
H:
じゃあ、まず窯を作ろう。もちろん薪窯ね。
O:
先生、それは無理です・・・
H:
じゃあ、窯以外は全部条件通りに作ってみよう!
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このコラムのレシピ
コラム担当
ピッツァ・アッラ・マリナーラ
ピッツァ・マルゲリータ
国立のマンジョーネ mangione
本田 孝成
若きアッズーロ azzurro
岡田 直也
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