「地方料理の集合体」などと形容されるイタリア料理。ちょっと堅苦し〜い表現ですが、つまりは「土地のマンマ(お母さん)の味」ということ。「イタリアの家庭で作られるおふくろの味を日本の食卓へ!」をテーマに、皆さんよ〜くご存知のこれぞイタリア料理から、日本では無名に近い地方料理まで、ただひたすら個人の趣味でご紹介。「イタリア料理はmammaのマンマ」の思いをタイトルに込め、辻調グループ校「イタリア大好き!!!」職員が、遠き恋しきイタリアを想いながら好き放題、いえ、自由に綴る偏重コラム。星付きレストランの料理も!と、時にはテーマを外れて大暴走なんてことにも!?
秋ですね。皆さんは秋というと何を想像しますか? 読書ですか? 紅葉ですか? スポーツですか??? やっぱり食欲の秋ですよね!!その言葉のとおり美味しい食べ物が沢山旬を迎えます。その中でも今回はこの時期、脂が沢山のって美味しくなる魚についてお話したいと思います。
ティレニア海、アドリア海、イオニア海と三方を海に囲まれたイタリアも日本同様に海の幸に恵まれた国で、特に沿岸部には新鮮な海水魚を使った豊富な郷土料理が、山間部など海から離れた土地でも川や湖でとれる淡水魚や、干鱈などの加工品を使った料理がいくつもあります。実は日本人におなじみの鯛や鱸などの白身魚、鰯や鯖などの青い背の魚、他にもマグロ、カニや海老などの甲殻類、イカやタコ、帆立貝やウニなどはイタリアでもよく食べられているんです。
パレルモの市場にて
頭と共に置かれて売られているカジキ
今回、ご紹介する料理に使うカジキは、イタリアの中でも特にシチリアを代表する魚で、シチリア島とイタリア半島の間のメッシーナ海峡は有名な漁場のひとつです。カジキにはいくつかの漁法があり、特に特殊な漁船を使った突きん棒漁は独特のものです。これは漁船の中央部にある20メートルを超える高い見張り台からカジキを探し、船首から長く突き出した台の先端から銛を打ち込む漁法です。
日本ではカジキと言ってもあまりピンと来ないと思いますが、南イタリアではカジキはとても人気があり、レストランなどでは店先にカジキの頭が置いてあり、その頭を見てカジキを食べに来るお客さんが沢山いるそうです。料理法はグリエやソテーなどが一般的で、味付けもシンプルなものが多く見受けられます。
州旗にも描かれるシチリアの象徴「トリナクリア」
蛇の髪をもつ人の顔、
3本の足、翼からなり
一説には3本の足がシチリアの3つの岬を表すとされる
カジキのグリエ
レモン、パセリ、オレガノ、にんにく、
オリーブ油で作るシチリア伝統の
ソース、サルモリッリョをかける
また、イタリアの沿岸・内陸部にかかわらず、手軽に使われている魚といえば、「アンチョビ」と言っても過言ではないでしょう。
量り売りのアンチョビ
アンチョビとは片口鰯のことですが、この片口鰯の頭と内臓を取り除いて塩付けにし、冷暗所で発酵させた加工品のこともそう呼ばれます。このアンチョビはイタリア料理に欠かせない食材のひとつで、オイル漬けにした瓶詰めのアンチョビはイタリアのどこのスーパーにも置いていますが、市場などでは塩漬けアンチョビの量り売りをしているところもあります。チューブ入りのペースト状になった製品は手軽に使えて便利ですよ。
また、意外に思われる方もあるかもしれませんが、イタリアにはこの生のアンチョビや鰯、鯖などの内臓や身で作られるガルムという魚醤がありました。ギリシャから持ち込まれたとされるこのガルムは、2000年以上前の古代ローマ時代には広く使われる調味料のひとつで、古い文献にもたびたび登場していましたが、その後、一度、歴史から姿を消してしまいます。最近ではこの古代の調味料を復活させる動きもあり、また、このガルムがアンチョビの起源と考える人もいます。
さて今回は先ほど触れたカジキを使った料理をご紹介します。右の写真は、しめ鯖のサラダ仕立てです。おいしいしめ鯖があれば、サラダと合わせてオニオンドレッシングをかけるだけで作れ、簡単でおいしいのでこちらも是非お試しください。
カジキのコンフィ
しめ鯖のサラダ仕立て
B
u
o
n
a
p
p
e
t
i
t
o
!
!
このコラムのレシピ
コラム担当
カジキのコンフィ
西洋料理担当
荒井 裕子
西洋料理担当
小山 瑞季
このページのTOPへ
↑